クリムゾン・タイド 特別版 [DVD]
デンゼル・ワシントン主演の作品をいくつか見てきた。
この作品のテーマは、核の脅威。
核の発射権限が、核を搭載する潜水艦の艦長にあったことの脅威である。
以前の命令系統では、核発射の権限は、核を搭載した潜水艦の艦長にある。その潜水艦が危機にさらされている場合は、この映画のように、命令のタイムラグの中で、核が発射される可能性がある。核の使用が引き起こすものは、核による報復、核戦争、そして核による破滅(ニュークリヤー・ホロコースト)だ。
核の脅威にさらされるのは、全世界なわけだ。
最後のテロップが流れ、核の発射権限が大統領に移ったことが表示される。
核は、攻撃の手段であり、攻撃戦略でもある。しかし、使われれば、核による破滅が待っている。
今では、
「国家を守る」等の目的の下で、核兵器は使えない。核兵器とはそんな兵器である。
ラムジーはたたきあげで、数々の戦闘を潜り抜けてきている。一方のハンターはミサイル艦の副長をした後ハーバード大学を出ているという設定。この設定から、ラムジーは核以前の軍隊、あるいは核以前の命令系統を象徴していると思う。
ラムジーの副長の解任、現場での絶対的存在といった場面からは、臨機応変な権限が艦長に存在していることが分かる。
また、ラムジーは独りよがりで、独善的な印象を受けた。もし、このような艦長がいれば、核による攻撃の可能性は、高まる。
そして、この物語は、命令の確認が困難な状況でおきている。そのような状況では、確かな判断、確かな命令の伝達が行われるのか。ここでも、危険性は高まる。
タイムラグによる核の脅威はこれでなくなったのか。上層部→攻撃 のタイムラグはなくなったはずだ。
映画では、青空の下、ラムジーが犬を連れて遠くに去っていく。バックには厳かな音楽。そして最後には、ハンターの表情が大きく映される。そしてテロップ。
ハンターの行動によって、核の危機は回避されたわけで、そのハンターを強調する。
核の脅威は、こんな風に思われていたんだな、とびっくりした。
しかし、発射の命令が大統領から出されれば、即、核は発射されるということ。(大統領や、副大統領等の承認がいるはずだが)この映画の設定だったら、もう発射されているということになるのか。
また、大統領にもたらされる情報は、すべてが正しいのか。イラク戦争のように。
1995年の作品。
以下、メモ------------------------------------------------
この作品のテーマは?
- 信念
- 真実
- 正義と法
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